<株式トピックス>=2%の物価目標の達成は?

 白川方明総裁は20日、金融政策決定会合後に、日銀が現在採用している「物価安定の目途」を新政権と協議のうえで見直し、来年1月の次回会合で結論を出すと明言したと伝えられている。自民党の安倍晋三総裁が、デフレ脱却に向け「2%の物価目標」を設定するよう要請していることを踏まえという。
 自民党がデフレ・円高対策で掲げているのは、「物価目標(2%)」の設定だ。その達成に向け、日銀法の改正も視野に政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行うとしている。
 これには、FRB(米準備制度理事会)がそうであるように、日銀も、物価だけを唯一の金融政策の目標にするのではなく、いくつかの基準の一つとする可能性があるが、デフレ脱却への意志をアピールする意味で、物価安定のメドを現行の「当面1%」から2%に近い水準へ引き上げる可能性がある。基準が高まれば、緩和強化の必要が増し、円安要因になる可能性が高い。
 ただし、消費者物価を年率2%近くまで引き上げるのは容易ではない。08年に2%に達したのは原油など国際商品市況の急騰で、輸入物価が大幅に上昇したのが要因。例えば、現在の火力発電需要のためのLNG(液化天然ガス)の輸入インフレによる物価上昇では、企業の採算が悪化するので、円安による輸出・輸入物価上昇と需要増による国内物価上昇が望ましい。そして、消費者物価2%を達成するには、継続的で大幅な円安が条件となる。
 当然のことながら、財務省が19日に発表した11月貿易収支が9534億円と3番目の大幅赤字となったことを背景とした円安進行は、中国などへの自動車輸出の減少が要因であり、明らかに〝悪い円安〟である。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)