レンジがメインシナリオも、抜けたら…!?

日銀追加緩和で急伸、しかしすぐに値を崩す-ドル円
※ご注意:予想期間は12月22日と表示されていますが、本日(21日)の東京・ロンドン・NY市場の値動きを想定した記述となります。
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 昨日は円が上へ下へと大きく揺れ動く、乱高下の様相を見せました。

 注目の日銀金融政策決定会合では「資産買入等基金の10兆円増額」が決定され、「2%のインフレ目標採用の有無を次回会合で検討」との意向も発表されました。この影響でドル円・クロス円は、瞬間的に台頭した円売り圧力から大きく上伸しました。しかしながらそうした動きは一瞬に留まりました。84円半ばで上値を押さえられたドル円は、欧州タイムに差し掛かる前にはすでに84円ラインを割り込む下落を見せました。また前日に112円半ばまで上伸したユーロ円も、110円後半まで押し戻される動きとなっています。まさに「噂で売って、事実で買い戻す」を、地で行く展開だったといえます。

意外に下値は堅く、戻り歩調に-ドル円
 その後は意外にも下値は堅く、欧州タイム以降ではこの吐き出した下落分を取り戻す動きが優勢となりました。米GDP・確報値が事前予想を上回ったことも、リスク選好姿勢の高まりとしてドル円・クロス円の反発を後押ししたと見られるところです。こうしてNYタイム中盤にはドル円は84円半ばへと再び押し戻され、ユーロ円も112円台を回復する動きとなっています。こちらもまさに「往って来い」の乱高下といえる動きでした。

次の注目は「財政の崖」&「クリスマス休暇」

 こうして迎えた本日のマーケットは、ビッグイベント(日銀金融政策決定会合)を終えたことから、次のテーマへ移行すると見られるところです。その候補と見られるのが、“米『財政の崖』問題”と“ポジション調整”ということになります。

 前者に関しては、「富裕層に限定した妥協案」が米下院で採決される予定となっています。下院は共和党が過半数を握っていますので可決する見通しですが、民主党が過半数を掌握する上院では否決されると見られるところです。さらに拒否権の発動をオバマ大統領が示唆していることからも、早期の成立は困難と見られるところです。このため昨日のような米景況感を背景にしたリスク選好姿勢には、おのずと限界があると考えるのが自然となります。

 一方で後者に関しては、クリスマス休暇が押し迫ってきています。直近の欧米勢は円売りポジションを積み上げてきましたので、これに調整が入る可能性が否定できないところです。もちろん日銀は追加緩和に踏み切っており、今後も継続的な追加緩和が行われる可能性が指摘される状況下であるだけに、全てのポジションが整理されるとは想定しづらいところです。このためおのずと下値も限定されてくると見られますが、一方で調整が全く入らないと考えるのはあまりにも不自然です。

レンジがメインシナリオも、抜けたら…!?
 昨日と同様に84.00-83.80円にはズラッとドル買いオーダーが並ぶ反面、84.50-60円にはドル売りオーダーが展開しています。このためこの両サイドに挟まれたレンジ内での上下動をメインシナリオとしつつ、両サイドを突破した際のストップロスを絡めながらの急伸・急落については、警戒度合いを高めておきたいところです。