米「財政の崖」問題のチキンレースはいつまで

大統領はハワイからワシントンへ
アメリカの「財政の崖」問題のタイムリミットである年末までいよいよ1週間を切ってしまいました。

大方の見方では、年内にある程度のところで妥協して時限的な減税の延長策などでまとまると見られていましたが、タイムリミットが迫る中でも進展が見られていません。

一番の争点である富裕層向けの増税(減税措置の後退)では、オバマ大統領(民主党)は当初年収25万ドル以上の層への増税を主張していましたが、今は年収40万ドル以上と歩み寄っています。

一方共和党は、いまだに当初からの主張である全て層への減税策の継続を訴えています。

先週、共和党のベイナー下院議長は、年収100万ドル以上の超富裕層への増税を受け入れる「プランB」を提案し、共和党が多数を握る下院で民主党の反対を押し切って強行採決する方針を示しました。しかしこの「プランB」に対して、ベイナー議長は共和党内部の支持を得ることができず、採決を見送ることになりました。

このように民主、共和両党の立場は依然として大きな隔たりがあります。オバマ大統領としては、かなり譲歩したとの思いがあると思いますが、共和党には「いかなる減税措置の見直しも不可能」と考えている議員らがいると考えられ、こういった議員が態度を軟化させなければ、米経済が本当に「財政の崖」から転げ落ちる可能性が高まってしまいます。

米経済を崖から転落させる事は、民主共和両党のいずれにとっても利益になりません。それを考えれば何らかの妥協があるはずなのですが、お互いに相手が折れるの待ついわゆる「チキンレース(チキンゲーム)」となってしまっていることが心配です。