年末年始はアメリカのニュースに注意

「財政の崖」問題でリスク回避の動きも
11月半ばに野田前首相が解散を示唆して以来、安倍新首相誕生とその後の強力な金融緩和に対する期待で円売りが続きました。正直、私は年内にここまで円安が進むとは当初予想できませんでした。

今後も来年の参議院選挙を念頭に、政府が経済再生、つまりは株価の上昇を演出する為にいろいろ手を打ってくると考えられる為、中期的には日本の材料で円安が続くと考えられます。

しかし今週末から来週にかけては、年末年始で日本側では大きな材料がでない一方、いよいよタイムリミットが迫る中、アメリカの「財政の崖」問題を巡るニュースで市場が振り回されると考えられます。昨日のNY時間には民主党のリード上院院内総務が「米国は「財政の崖」から転落しそうだ」「どうすれば崖転落を回避できるか分からない」などと述べるなど、両党間の協議は主張に大きな隔たりを抱えたままこう着状態に陥っているように見えます。

今回の交渉では、合意に達しない場合には両党とも敗者になってしまいます。このままなら全ての減税措置が年末で期限を迎えてしまいますが、少なくとも中間層以下の減税策については両党ともに継続を主張していますので、その点だけでもまず合意するのが合理的と考えられます。

特に共和党は、すべての減税策延長を主張する議員がいることでベイナー下院議長が提案した譲歩案でまとまることができませんでした。しかし、何の法案も成立させられなければ、自動的に減税策が全て期限切れとなる中、このまま強行な態度を貫くのは得策ではないと考える議員が増えるのではないでしょうか。

そういった事情があるため、市場関係者はなんらかの合意に達する、と予想しています。したがって万が一本当に何の合意もできずに年明けを迎えてしまった場合は、大きなサプライズとなって1月2日の市場でリスク回避の動きが強まることが予想できます。

年内にもまだ円安が進む可能性が高い状況ではありますが、今後はそういったリスクもあることを考慮して取引することが必要です。