13年・期待の相場テーマ<2>=海外の長期資金の買いは金融株の復活を暗示(3)

 日本株は国内の政治動向では動かないとよく言われるが、政治のパラダイムシフトが起こる時は、さにあらず。マーケットも閉塞感から解放されて想像以上の上昇マグマを噴き出すことが多い。もちろん相場を主導するのは外国人、それも年金やミューチュアルファンドといった長期資金の出動によってもたらされる。

 今回も民主党政権下での閉塞感が打破され、安倍新政権は脱デフレのためになりふり構わずに、金融緩和と公共投資拡大のダブルエンジンを始動させる構えをみせている。政治と経済のパラダイムシフトを眼前にして外国人の足の長い資金の買い出動が前夜に迫っている可能性も否定できない。

 では、外国人が注目する銘柄やセクターはどこか。小泉郵政解散の時を思い起こせば、やはりそれは時価総額の大きい主力株。特に、日本の内需の要であるメガバンクを筆頭に金融株が挙げられるだろう。第3次小泉内閣(05年9月21日~06年9月26日)があれだけの支持を得たのは、経済再生の基盤があったからであり、その象徴となったのはメガバンクの株価上昇であった。

 たとえば三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>は05年8月の時点で1000円を割り込んでいたが、そこから翌年4月にかけて1950円まで買われた。株価はちょうど2倍になったわけだが、時価総額ベースで見た場合、キャピタルゲイン効果は絶大である。もちろん同じようなパフォーマンスを、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など他のメガバンク株も演じており、その資産効果は計り知れない。また、野村ホールディングス<8604.T>などもメガバンク同様に、金融株の要といってよい銘柄で、全体相場の方向性を左右する銘柄のひとつとしてマークしておく必要がある。

 安倍新政権でも金融株の上昇が脱デフレのシナリオの根幹になる。欧州危機後、世界に先駆して株価を上昇させ異彩を放った米国株市場で、金融株の戻りがひときわ顕著だったことも見逃せない材料だ。外国人の本格的な買い攻勢は、その“米国モデル”を東京株式市場が踏襲する可能性を示唆するものでもある。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)