13年・期待の相場テーマ<2>=海外の長期資金の買いは金融株の復活を暗示(2)

 国内筋にとって今回の株価上昇に半信半疑のところがあったのは、外国人の買いが、これまでのようにCTAも含めたヘッジファンドなどの短期資金であって、株価指数先物を絡めてサヤ取りを前提に買い上がったもの、という判断が働いたからにほかならない。この先入観が「政権が変わる」というイベントを前にしても、思考にブレーキが掛かり初動に乗れなかった理由である。

 もっともそれも無理のない話であり、これまで裁定買い残を積み上げながら、株価が一定の水準訂正に至れば、今度は歯車を逆回転させて先物安→裁定解消売り→株価下落を誘発するパターンが嫌というほど繰り返されてきた。そこに、個別企業のファンダメンタルズは機能しない。インデックス的な事情に振り回される東京市場は見返りの乏しいリスクに支配されていて、運用を主眼に置く国内機関投資家が腰を入れた買いが入れにくいのは当然、という環境でもあった。

 ただ、今回はヘッジファンドのサヤ取り狙いというテクニカル的な買いではなく、「日本株の絶対水準としての出遅れ感が実需の買いを呼び覚ました」(準大手証券投資情報部)という指摘もある。つまり、企業のファンダメンタルズ評価が初めて俎上にのり、日本買いの兆しが見え始めたということだ。

 しかも、これまでの外国人の動きの中で「年金やミューチュアルファンドのような長期資金は、まだわずかしか出動していない」(準大手証券調査部)との観測がなされている。裏を返せば、新年相場では日本株を個別の企業力の観点から正当に評価した中長期の買いが、政権交代によって堰を切って流れ込んでくる可能性がある。

 今回の衆院選をはさんで一気に1年9カ月ぶりの高値水準に買われた東京市場を、かつて見たことのある風景である、と思う投資家も多いのではないか。そのデジャヴとは、05年9月に当時の小泉首相が抜いた伝家の宝刀、“郵政解散選挙”である。この時は、小泉改革に期待した外国人の買いが東京市場に殺到した。衆院解散以降に相場はうなぎ上りに水準を切り上げ、選挙翌日の9月12日から、翌年3月までの半年間で日経平均は30%以上も上昇している。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)