アベノミクス+米金利上昇でドル高・円安に弾み

ドル建て金相場はFOMC議事録消化で慎重スタンス
ドル/円相場は一時88円台に乗せ、2010年7月以来のドル高・円安水準を更新した。従来からのいわゆる「アベノミクス」に対する期待感を背景とした円売り圧力に加え、年末・年始の米財政協議に進展が見られたこと、米量的緩和政策の打ち止め・出口を巡る議論が活発化していることなどがドル買い圧力に直結しており、ドルと円の双方からドル高・円安圧力が強くなっている。

円サイドでは、11日に政府・与党が緊急経済対策を取りまとめる予定であり、そこで改めて脱デフレ・脱円高に対する強いコミットメントが確認できれば、一段と円売りが進む可能性がある。22日には日本銀行・金融政策決定会合を控えているが、そこに向けて政府は一段と緩和圧力を強める見通しであり、円安の流れに歯止めを掛けるのが難しい状況が続こう。

一方、ここにきて大きな変化が見られるのがドルサイドの動向である。3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(12月11~12日開催)が公開されたが、そこでは複数のメンバーが「年末よりかなり前の時点で資産購入の縮小なり停止が恐らく適切になるだろう」と指摘していたことが明らかになっている。これは量的緩和第3弾(QE3)の打ち止めに他ならず、予想外の声明文の内容が米金融政策見通しに大きな修正を迫っている。

具体的には、年内のQE3打ち止めを予測する向きが多くなっており、それに伴い米金利に対する上昇圧力が強くなっている。このため、日米金利環境からもドル高・円安トレンドが支持される形になり、次は90円の節目でどの程度の達成感が広がるかが注目される状況になる。

もっとも、FOMC議事録の内容は金相場に対してはネガティブであり、ドル建て金相場は上値の重い展開を強いられよう。実際には早期に緩和政策を解除するのは難しいとみているが、目先はFOMC議事録の消化に伴い下向きに値が飛ぶリスクも想定しておきたい。ただ、円建て金相場に関しては、ドル建て相場の下落リスクよりも円安の恩恵が大きく、2011年9月の上場来高値4,754円ブレイクを試す方向性になろう。