ドル/円の調整は、円安修正ではなく、ドル高修正

米金融当局者の発言に注目
ドル/円相場は、1月4日の88.41円をピークに、足元では87円台中盤まで下押しされている。日本銀行の金融緩和政策期待を織り込み済みとの指摘もあるが、基本的には米金利要因に基づく動きと考えている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けての量的緩和政策の休止・出口観測から10年債利回りは一時1.912%に到達していたが、足元では株安に伴う国債需要の高まりもあって、1.88%台まで低下している影響が大きい。すなわち、ドル/円に対する調整圧力は、ドルサイドの要因に基づく。

ただ、10日にはカンザスシティー連銀ジョージ総裁とセントルイス連銀ブラード総裁の講演が予定されている。両総裁は今年のFOMCで投票権を有しているが、タカ派から中立派とみられ、ここで改めて資産購入に否定的な見方が示されると、「米金利上昇→ドル高(円安)」圧力が強まる可能性がある。

11日には日本政府が緊急経済対策で脱デフレ・脱円高の方向性を改めて示す見通しであり、週末にかけては円サイドからドル高・円安が進む動きが再開される可能性もある。

もっとも、米金融政策でタカ派的な見通しが強まれば、ドル建て金相場は再び下押しされることになる。足元ではアジア系現物筋の買いが下値をサポートしているが、改めて1,600ドル台前半を試す可能性を警戒したい。ただその際にも、円安を背景に円建て金相場は強含みの展開が続くことになるだろう。TOCOMの上場来高値4,754円更新も現実的なターゲットになる。