<株式トピックス>=世代間の資産移転は景気浮揚の起爆剤か

 9日の東京株式市場では、後場に入って祖父母から孫への教育資金贈与に関して、一定額を非課税扱いにしようという政策への期待感が一段と強まり、東証1部の上昇率上位に学習塾、予備校など教育関連銘柄が軒並み名を連ね、教育関連出版大手の学研ホールディングス<9470.T>、中高校生向け主体の個別指導の直営補習塾を全国展開する東京個別指導学院<4745.T>、公認会計士、税理士、司法書士など資格取得の講座を展開するTAC<4319.T>をはじめ、秀英予備校<4678.T>、進学会<9760.T>の5銘柄がいずれも値幅制限いっぱいのストップ高まで買い進まれる集中人気となった。
 政府は、非課税額の上限を1人最大1500万円とする方向で調整しているという。11日にも閣議決定する緊急経済対策に盛り込まれる見通し。現在約1400兆円とされる個人金融資産のうち80%を50歳以上の中高年、高齢者層が保有しているという。これに比べて、40歳代以下の世代は、将来的に所得が増加する展望が描き難い上に、子育て負担も重く、年金受給にも不安がつきまとう。
 高齢者層は、資産をある程度蓄えている上に、各種年金についても比較的順調に受給できる見通しが立っている。しかし、超低金利が続いている上に、不況が長期化、さらに高齢者の再雇用も困難を極めていることもあり、先行きに対する不安感が増幅している。したがって、節約、貯蓄志向は強まる一方で資金は個人消費に回らず悪循環となっている。
 結局、次の世代へ資産を遺したとしても、相続税の負担が重くのしかかる。かといって生前贈与には二の足を踏む高齢者も多いという。
 今後急ぎたいのは、孫への資金移転だけではなく、高齢者自身が消費マインドを刺激されるような新商品やサービスの開発だろう。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)