通信関連株で狙うのは、通信キャリア株よりも設備投資でメリットを享受する企業群

本当に狙うべき銘柄とは
まず結論からいえば、通信キャリアは他のセクターに比べて、投資妙味は乏しい状況は続く見通しです。

なぜなら、スマートフォンやタブレット端末の本格普及は、疑いようがありませんが、同時に、通信キャリア間のスマホ向け高速通信サービス「LTE」の通信速度競争激化が見込まれる状況に変化はないからです。

投資の原則ですが、「お金が出て行く企業の株は売り、お金が入ってくる企業の株は買い」です。つまり、設備投資負担が続く間は、通信キャリアは投資対象としては魅力ありません。

逆に、通信キャリアの携帯電話のデータ通信量拡大やLTE向けの設備投資でメリットを受ける企業群に投資家は注目するべきです。具体的には、基地局などの通信設備、LTE対応のスマホ向け計測器、ルーター、LAN(構内情報通信網)向けスイッチ、企業向け無線LAN機器などを手掛ける企業群です。

それはさておき、12年11月の携帯電話・PHS契約数、ソフトバンクモバイルが30万1900件、KDDIが22万8800件でそれぞれ純増しました。ソフトバンクは、「iPhone 5」の在庫切れが11月中旬頃に解消し、当日販売が可能な状態になったことで契約数の増加も加速したそうです。一方、NTTドコモは関東甲信越以外の地域はすべて純減となり、全体で4万800件の純減になりました。これは、「iPhone 5」への転出増加が影響して結果です。

こうなると、当然、買えるのはソフトバンクとKDDIの2社で、NTTドコモは買えないということになります。

ただし、ドコモに関しては、足元業績の苦戦は織り込み済みで、高配当利回りが株価をサポートするため、株価自体の上値は重いでしょうが、下値も堅いでしょう。また、ドコモがキャピタルゲイン狙いの投資対象になるには、「iPhone」なしでも顧客を呼び戻せる、または、「iPhone」を取り扱うなど、ポジティブ・サプライズが必要です。それまでは、通信キャリアの中では、ドコモは買いにくいと考えられます。

一方、米スプリント及びイー・アクセス(9427)のフル連結後の業容拡大などを考慮すると、3社の中ではソフトバンクは最も魅力的です。米スプリント買収で、通信国内3位だったソフトバンクは一気に世界3位に浮上したのです。今回の巨額買収が成功するかは誰にも分かりません。しかし、日本の携帯電話市場はすでに成熟期を迎えており、ガラケーからスマホへのシフトが一段落すれば、国内事業だけでは、収益拡大は難しいことも明白です。
そうなると、「iPhone5」販売競争の序盤戦でソフトバンクに圧勝したとはいえ、国内3位になったKDDIも、ソフトバンクに比べると、投資対象としては魅力は乏しいですね。

最後に繰り返しとなりますが、2013年、個人投資家は通信関連株では、キャリア株自体は避け、各社の設備投資でメリットを享受する企業群に狙いを絞るべきでしょう。