<検証・話題株>=富士紡HD、好業績で株価急上昇も波乱展開(1)

 富士紡ホールディングス<3104.T>は、昨年12月以降の売り残減少、買い残増加で信用取組が悪化、株価動向が注目される。昨年7月末に160円台だった株価が13年3月期通期業績の上方修正を受け急動意、11月には一時、394円まで急騰。その後、11月の公募増資発表を嫌気して反落するなど波乱展開をみせている。

 富士紡HDの株価は、昨年7月31日の取引時間中に発表された13年3月期通期連結業績予想の上方修正をきっかけに、前日終値の161円に対して36円高の197円まで買い進まれる急騰をみせた。その後も、株価が低位であるという手掛けやすさに加え、株価上昇に伴う信用売り残増加による取組妙味の拡大、さらに一部市場関係者の間で取りざたされた「特定投資グループ介入観測」なども材料視されたことで、個人投資家からとみられる思惑買いを集める結果となった。出来高を伴って株価は上昇を続け、11月8日には、起点となる7月30日の161円に比べて2.4倍の394円(昨年来高値)までの急騰を演じた。

 ところが、11月15日に公募増資730万株とオーバーアロットメントによる第三者割当増資190万株を実施すると発表。この発表を受け、株式需給の悪化や、1株利益の希薄化を懸念して、一転売りが優勢となり、11月27日には292円まで下押す場面もあった。

 株価が急上昇してきたタイミングに合わせたかのような公募増資発表に対して、一部市場関係者からは批判の声も上がっていた。

 12月以降は、株価の振幅が小幅となり、300~350円でのボックス相場の推移となっている。時価で試算したPERは10倍台と割高感は無い。ただ、最近の信用買い残の増加で、直近の東証信用倍率は、3.51倍と取組妙味が後退している上に、日足チャートでは25日・75日の両移動平均線によるデッドクロスの可能性も浮上している。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)