<クローズアップ>=熾烈なミャンマー進出合戦、麻生副総理訪問で日本企業巻き返しへ(1)

 安倍新政権では、中国や韓国など周辺諸国との関係修復とともに東南アジアを中心とする新興国との関係強化も大命題となっている。新年早々に麻生太郎副総理兼財務相・金融相がミャンマーを訪問し、今年度中に500億円規模の円借款実施で合意した。同国への日本企業進出を大きく後押しする期待が高まるところだ。

 今回のミャンマーへの支援表明は、麻生副総理兼財務相・金融相が3日に首都ネピドーでテインセイン大統領と会談し合意したもの。民主党政権で決めていた円借款再開などの方針を、安倍政権も引き継ぐ考えを表明、安倍首相の親書を手渡し、官民挙げて経済協力を強める考えを伝えている。その背景には、進出で先行する中国などに遅れをとっていると言われることにある。

 ミャンマーは1989年6月の「国家法秩序回復評議会」発足以降、長らく続いていた軍事政権は最大野党である国民民主連盟(NLD)のティン・ウ副議長の自宅軟禁を解除。その後、連邦団結発展党による新政権発足後、民主化運動の象徴であるアウン・サン・スーチー氏の軟禁状態も解除し、スーチー氏は昨年4月1日に行われたミャンマー連邦議会補欠選挙にNLDより立候補し当選を果たしている。

 この数年間で民主化が急速に進んできたことから欧米各国、中国などを含めて世界の主要国が熱い視線を向けており、日本もミャンマーへの進出が救急の課題となっていた。
東南アジアの周辺国と比較した場合、人口は6242万人(2011年、IMF推定値)とベトナムの8880万人(2011年)、タイの6593万人(2010年、タイ国勢調査)に次ぐ規模となっている。

 識字率も92.0%とタイの94.1%などと遜色ない数値であることから、今後民主化が更に進展すれば、タイやベトナムなど周辺国との連携からも高い成長が期待される。
 さらに仏教徒が90%を占め宗教紛争はなく、親日家が多い国であることも日本にとっては魅力的な存在となっている。しかもタイは先の大洪水で大きな被害を被ったことや、中国リスクの軽減を図るうえでも日本企業にとってミャンマーは魅力的な存在となっている。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)