ドル円が節目を超えて上昇 ~当局者発言に注意

 
先週金曜日は、日本政府が発表した緊急経済対策を好感したことと、米ゴールドマンサックスがユーロ買い推奨を改めてしたことからユーロ円が上昇したことなどから円売りが強まって、一時89.40円台まで上昇しました。その後一旦88.80円台まで反落する場面もありましたが、89.10円台で週越えとなりました。

昨日、安倍首相がテレビ番組で次期日銀総裁人事に関して

「基本的には大胆な金融政策を実行できる人、われわれの主張に合う人ということで考えてほしい」
「官邸で15日にエール大学の浜田先生をはじめ金融の専門家の皆さんに集まってもらい、お話を聞きながらどういう人がいいのかを考えたい」

と述べたことなどから、週明けの東京時間早朝から円売りが強まって89.60円台まで上昇しました。

先週のエントリーで書きましたように、月足一目均衡表の雲下限が89.25付近に位置していますので、今はしっかり雲の中に入ってきている形になっています。もちろん月足チャートですから今月末の引けでここを上回らないと意味がないのですが、一段の円安の可能性が高くなっています。

ただここでちょっと気になるのが、石破自民党幹事長が昨年12月22日に同じくテレビ番組の中で

「円は安ければ安いほどいいのかと言うと、そうではなくて85円から90円ぐらいにどうやっておさめるか、ということを考えなければいけない」

と述べていたことです。さらに今日のテレビ番組では甘利経済再生相が

「かなりいいところまで来ている。あまり放置して『3けた』を過ぎていくと、輸入価格が国民生活にのしかかってくる。うまいハンドリングをしないといけない」

とも発言しています。

先週は10日に、米セントルイス連銀のブラード総裁が

「日本がより明白な為替政策を取っているようで、私は若干困惑している」

と米国の当局者として今回の「アベノミクス円安相場」が始まってから日本の為替政策について初めて批判的な言葉を述べたことも気になります。

市場の勢いを見れば、短期的にもまだまだ円安が進みそうですが、日米当局者のこれまでの発言を見ていると90円台に乗ってきた場合は円安進行に対して水を差すような発言があるかもしれないので注意が必要でしょう。