「円安基調は続く、短期的な過熱感も」

「円安基調は続く、短期的な過熱感も」
 昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株30種平均は18.89ドル高の13507.32、ナスダック総合指数は8.13ポイント安の3117.50となった。iPhone5の需要減少でアップル、ナスダックが売られたものの、企業決算発表の本格化に向けてダウは堅調推移。強弱感が対立した。

 一方、外国為替市場では円安が一段と進行。1ドル=89円台半ば、1ユーロ=119円台後半での推移となっており、日本株の押し上げ要因となりそうだ。シカゴ日経平均先物(円建て)は10965円付近での推移。したがって本日の東京株式相場は買い先行の展開を想定。引き続き上値を試すものと思われる。

 日経平均の日足チャートでは、再び窓を空けて上昇することになりそうだ。相場の強さを示唆しており、短期的な過熱感はかなり強まりそう。寄り付き直後は株価の下方に窓が空くことになり、調整しやすい需給となる。軸は上向きで変化はないものの、買い一巡後は急速に上値が重くなる展開も考えられそうだ。

 日経平均を押し上げているのは、もちろん安倍政権による大胆な金融緩和・円安誘導。外国人投資家は日本株を買いながら、円売り・ドル買いの為替ヘッジを行い、日本株の上昇をしっかりと享受している格好だ。これが為替相場を円安方向にもっていき、日本株を上昇させている。投資主体別売買動向でも外国人買いが鮮明になっており、海外勢による「アベノミクス(安倍氏による独自の経済学)」の評価が高いということになる。

 だが、この円安どこまで続くのか。ひとつの参考情報として、中国人民銀行(中央銀行)が設定しているダブル・ノータッチ・オプションというのがある。これはドル・円相場が1ドル=86円65銭、と90円65銭にタッチすることがなければ、一定の収益を得られるというもの。したがって、仮に中国人民銀行が相場を操作できるならば、この1ドル=90円65銭の手前で失速するということになる。円安の限界値が近いということであり、それに連動する日本株もそろそろ頭打ちということになるだろう。どこまで本当か分からないが、こういったことが市場の噂となっている。

 また、日本生命は保有株を一部売却すると報じられている。株式の保有残高は約5兆円であり、銘柄によってはその2割を売る可能性があるという。実施時期は4月からであるが、これが上値抑制要因となる可能性がある。
 そして最大の懸念材料が、やはり米国の財政破綻だ。米財務省とFRBは1兆ドル相当のプラチナ硬貨発行案を否定しており、財政破綻回避に向けた選択肢が狭まっている。2月末に訪れる財政の崖再来と連邦債務上限問題。これによって世界的な債券バブル崩壊というパニック的な売りが訪れる可能性があり、投資家は資産管理の面で細心の注意を払う必要があるだろう。(黒岩の眼より)