<クローズアップ>=本格的拡大期迎える炭素繊維、航空機からスポーツ産業まで需要広がる(2)

 市場規模は今年最低でも5万トンを上回ると予想され、過去3年間で約1.7倍に拡大することになる。さらに、15年には6万6000トン、20年には13万トン強への拡大が予想されるがこれも最低ラインだ。市場急拡大を見越し、中国、インド、トルコなどの新興国から炭素繊維製造への参入が相次いでいるが、生産規模、品質格差も歴然としており、現状は日本メーカーの独壇場といえる。

 特に航空・宇宙や自動車、発電機器の産業分野は安全性が最優先されるため、日本の先端技術でないと厳しいスペックをクリアできない。今後も日本メーカーが市場をリードしていくことになり、炭素繊維大手各メーカーは一斉に増産計画を打ち出した。需給タイトで当面、供給過剰による値崩れが起こる心配がなく、積極的な攻めの姿勢に転じている。

 世界トップをいく東レ<3402.T>は需要増を見越し、業界他社に先駆け昨年3月に大幅な増産計画を発表した。日本、米国、フランス、韓国の世界4拠点に総額約450億円を投資、年産能力を計6000トン引き上げる方針で、来年から2015年にかけて順次新設備が立ち上がってくる。総生産能力は1月現在で2万1100トン、15年3月には年産2万7100トンに拡大、事業規模は業界断トツの大きさになる見通しだ。

 同社は、今後も品質安定性や開発力、グローバルネットワークを駆使した販売など総合力で世界をリードしていくことになり、2021年3月期に炭素繊維売上高を現在の4倍近い3000億円を目指す方針を打ち出している。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)