<マーケットアイ>=断トツの大商い、ソニー復権の序章か(2)

 ソニーは17日に昨年9月21日以来約4カ月ぶりに4ケタ大台を回復したが、それもつかの間、株価を一気に1100円台に乗せている。先週末の前場取引時間中に米国100%子会社のSCAの本社ビルを売却する契約を締結したと発表、売却額は11億ドルで資産売却を進める動きが財務リストラの一環として好感されたほか、次世代ゲーム機の「PS4」を今年に発表する噂なども市場を巡り、ここタイミングを計ったように株価を押し上げる材料が目立ってきた。

 当然、市場関係者の注目度も高まっている。「これまで増資による株式価値の希薄化懸念などネガティブな思惑が先行してきたが、財務リストラに手をつけ、主力のエレクトロニクス事業での成長戦略に舵を切ったことなどがプラス材料として認識され始めた」(準大手証券調査部)という見方。また、買い主体についても「直近の株価上昇の過程で個人投資家は売り越しており、機関投資家が参入し始めたことを窺わせる」(松井証券窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)という指摘もあり、同銘柄の上値の可能性を示唆するコメントが相次いでいる。

 為替の円安の影響も大きい。同社にとって対ドルでの変動はフラット(為替の変動による収益への影響はゼロ)ながら、対ユーロでは1円の円安で約60億円の利益が発生すると試算され、非常に感応度が高い。

 同社の今期の対ユーロ想定為替レートは1ユーロ=100円前後で、現状のユーロ・円相場の水準では単純計算で約1200億円の為替差益が発生する計算となる。これが強力な買いの根拠のひとつとなっていることは疑いがない。

 もとより、海外でのブランドイメージは未だ健在だ。同社の指向するエレクトロニクス事業での成長戦略が日の目を見れば13年3月期の最終損益の黒字化から、14年3月期は一段の増収増益に向かう可能性も十分。となれば市場関係者の見立てどおり、海外筋を含めた機関投資家の見直し買いが本格化してくるシナリオも現実味を帯びることになる。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)