日銀会合が最大の焦点は当然として、どこに注目するのか?

材料出尽くしシナリオの実現可能性は低い
ドル/円相場は90.25円をピークに、足元では89円台中盤での取引になっている。週明け21日の取引では、東京市場のオープン直後に高値を更新したが、その後は日本銀行・金融政策決定会合を控えての調整売りに下押しされている。本格的にドル売り・円買いを仕掛けるような動きは見られないが、政策会合についてはどのような緩和メニューが導入されるのか不透明感が強いことに加えて、短期的な円売り材料出尽くしとの見方が広がることに対する警戒感もあり、利益確定の動きが強まり易くなっている。

今週は政策会合が最大の焦点になるが、2%の物価目標設定に向けて、日銀と政府の共同文書の作成が進められていることは確実視されている。ただ、その目標達成手段として、どのような緩和メニューが採用されるのかは不透明感が強く、敢えてイベント前に大きく仕掛けるような動きは見られない。オープンエンド型の無制限緩和、付利金利の引き下げ・撤廃、買い取り国債の期限長期化、リスク資産の買い取り枠拡大など、様々な展開が想定される。

ただ、日本銀行が政府の脱デフレ・脱円高と共同歩調をとる構えを崩すとは考えづらく、ドル高・円安の流れを覆すようなものにはならないだろう。白川総裁の記者会見でも、緩和政策に否定的なトーンが見られるリスクは限定されよう。特にサプライズとなるような緩和策を打ち出せなくても、着実に量的緩和政策を展開していく方向性さえ明確に確認できれば、ドル高・円安傾向に変化は生じないと考えている。

一方、中国の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は前年同期比+7.9%となり、7~9月期の+7.4%から上振れした。前期からプラス幅が拡大したのはちょうど2年ぶりのことであり、減速が続いてきた中国経済に持ち直しの兆候が見られることは高く評価できる。今週は日米で余り重要度の高い景気指標の発表はないが、ダウ工業平均株価が約5年ぶりの高値を更新するなど、投資家のリスク選好性は高まり易い地合が続いている。まだグローバル経済の先行き不透明感は根強いが、特に円が大きく買われる理由は見当たらない。

90円台には特に達成感などはなく、ドル/円の高値更新の流れは継続する可能性が高い。今週の下値目途は88.75~89.00円、上値目途は91.50~91.75円水準を想定している。

今後の中期的な懸念材料としては、2月後半の安倍首相訪米を前に、米国内から自動車産業などを中心に円高阻止の政治的圧力が強くなっていることがある。これまで米連邦準備制度(FRB)が採用してきた金融政策と、日銀がこれから展開しようとしている金融政策に大差がないことを考慮すれば、米国としても本格的に反対の声は上げづらい。ただ、従来のような口先介入が行いづらくなり、実際の行動が問われるステージに移行すれば、当然にドル高・円安のスピード調整は要求されよう。

一方、ドル建て金相場は1,700ドルの節目目前まで地合を引き締め、昨年12月18日以来の高値を更新している。米金融政策に対するハト派的な見方は後退するも、リスクオンの地合を背景に他資産価格連動で地合を引き締めている。ただ、29~30日のFOMCで改めて量的緩和の停止や出口をイメージさせる動きが見られれば、容易に1,600ドル台前半から中盤まで調整が進むリスクがあることは認識しておきたい。

もっとも、東京金先物は高値4,911円に達し、5,000円の節目到達も目前に迫っている。ドル/円相場が90円台確立を試す中、脱デフレ銘柄として円建て金相場が買われ易い地合には変化がないだろう。仮にドル建て金相場の急落を招くような金融政策見通しが優勢になれば、それはドル高・円安を更に促す可能性が高く、いずれにしても円建て金相場は高値更新を目指す流れが維持されよう。