日銀会合は歓迎と失望の声に挟まれ、ドル/円は利食い売りへ

材料出尽くとの見方は疑問
ドル/円相場は、日本銀行・金融政策決定会合のヘッドラインが伝わった直後に一時90.13円まで急伸するも、その後は89円台割れまで調整が進む展開となっている。

金融政策決定会合では、従来の「物価安定の目途」を「物価安定の目標」に変更した上で、消費者物価の前年比上昇率で2%とすることを決定した。加えて、「期限を定めない資産買い入れ方式」の導入も決定され、「できるだけ早期に」物価目標実現を示す方針が示されている。

2%の物価安定目標導入は既に広くマーケットで予測されていたため、焦点はその実現に向けて日銀がどのような緩和ツールを用意できるかとなっていた。その意味では、及第点を与えることが可能な内容である一方、一段とドル高・円安を促すようなサプライズ感もなく、比較的無難な内容にまとめた印象が強い。

期限を定めない資産購入計画の発表が来年とされたことがやや失望を誘っているが、13年中は現行方式が維持される訳であり、それ程ネガティブな内容だったとは考えていない。米連邦準備制度理事会(FRB)の後追いではあるが、日銀の金融緩和圧力が着実に強化されていることに変化はなく、円高是正のトレンドに変化は生じないと考えている。

今後は日銀総裁の交代も控えており、後任総裁人事が明らかになれば更に円安が加速する可能性も十分にあろう。

足元では、短期的な円売り材料出尽くしとの見方からドル買い・円売りポジションの巻き戻しが進んでいるが、あくまでも「短期的な」との理解で十分だろう。そして、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が控えている。株高にもかかわらず連邦債務上限の引き上げ問題に対する懸念から安全資産としての米国債に対する需要は根強いが、ドルサイドの動向にも注意したい。