ドイツから円安誘導への懸念の声強まる

ダボス会議も要注意
昨日日銀が追加緩和などを決定しました。(評価などについては昨日のエントリーをご覧ください)

安倍政権の誕生から、日銀に対する強い圧力で大規模な追加緩和を要求することと、円高是正を声高に主張している自民党ですが、ドル円が90円台に乗せるなどしたこともあってこの円安誘導政策に海外から批判めいた言葉が聞こえてくるようになってきました。

ここまでの主な円安誘導懸念発言をまとまてみました。

10日 ブラード・セントルイス連銀総裁「日本がより明白な為替政策を採っている模様で、私は若干困惑している」「我々がこの方向(近傍窮乏化政策)に進んでいないよう望む」

16日 ロシア中央銀行ウリュカエフ第1副総裁「非常に保護主義的な金融政策に関する日本の新政権の最近の決定は、急激な円下落につながるものだ。評価の高い他の一部中銀もこの政策を追求しており、これは世界的な協調ではなく分離に向けた道だ」

17日 ショイブレ独財務相「安倍政権の新たな政策を非常に懸念している。世界の金融市場で流動性が過剰であることを考えると、中央銀行の政策についての誤った理解がそれをあおっている」

21日 バイトマン独連銀総裁「新政権が中央銀行の職務に大々的に干渉し、一段と積極的な金融政策を求めて圧力をかけ、中銀の独立性に終止符を打ちかねない警戒すべき行動が、ハンガリーや日本で既に見られる」「その結果として、為替レートがますます政治問題化しかねない」

22日 独与党キリスト教民主同盟(CDU)幹部マイスター議員「円相場を押し下げることで輸出を後押ししようとする安倍晋三首相の動きは大きな懸念を呼ぶ」「日本経済の真の問題は構造的なもので、必要なのは構造的な解決策だ。為替市場に干渉することではない」

このところ、ドイツから中央銀行の独立性に関する懸念とともに円安誘導への批判も出てきているのが気になります。

今日からスイスのダボスで「世界経済フォーラム」の年次総会、いわゆるダボス会議が開かれます。

この会議には世界の要人が参加しますが、出席する甘利経済再生担当相はこの場でアベノミクスについて説明し「大胆な金融政策などを求める安倍晋三政権の経済政策は政治的に円安誘導を意図したものではない」と訴えるとしています。しかし一方でアメリカや韓国の自動車業界などが「自民党の政策は近隣困窮政策だ」と非難の声を強めており、ダボス会議でも日本の政策について取り上げられるのでは、との報道もあります。

ここまでの円安相場をけん引してきた海外投資家勢ですが、こうした国際的な懸念の高まりで日本政府が円安誘導をしにくくなる、との見方を強めれば、昨日の日銀金融政策決定会合の結果が期待外れだったこともあってポジション調整の円買いの動きを加速する可能性が高くなります。