日銀政策会合で乱高下も、11週連続のドル高・円安を達成

次期総裁の下での大胆な緩和政策に対する期待感
ドル/円相場は乱高下を繰り返しつつも、改めて90円台確立を試す展開になっている。週足ベースでは11週連続のドル高・円安となっており、値位置は着実に切り上がっている。

21~22日の日本銀行・金融政策決定会合終了後には、一時的にドル買い・円売りポジションの解消が進む場面が見られた。2%の「物価安定の目標」導入に加えて、2014年から「期限を定めない」方式で資産購入を行う方針が示されたが、マーケットの期待に対して満額回答を行うことには失敗した模様であり、ポジション調整が膨らんだ。もともと、短期的な過熱感が強くなっていたこともあり、これで当面の円売り材料は出尽くしたと、調整局面の長期化を予測する声も強くなった。

もっとも、欧米タイムには比較的早めにドル買い・円売りを再開する動きが見られるなど、海外勢の円安見通しには変化は生じていない模様だ。24日には安倍首相から日銀に対して、物価安定の目標に向けた道筋を4月の経済財政諮問会議の集中審議で提示することが要請されており、金融緩和政策の強化が進む方向性が一段と明確化している。従来の「できるだけ早期に実現」が、より明確な時間軸として確認できる状況にある。

加えて、2月中には次期日銀総裁人事について政府からの提示が行われる見通しであり、新体制化で過去とは決別した大胆かつ積極的な金融緩和策が展開されるとの期待感もある。実際の新体制が開始されるのは4月以降になるが、人事に関する動きが具体化すれば、マーケットは早めに日銀の行動パターンの変化を織り込み始めるだろう。

日銀の白川総裁は25日、わざわざ2%の物価目標の早期実現は「容易ではない」との否定的な見方を示している。これは、昨年2月に日銀が脱デフレ策を強化したにもかかわらず、日銀が自らその効果を否定して3月以降の円高路線に回帰するのを促したのと同じパターンである。ただ、マーケットは既に白川総裁の次を見据えているため、このような発言はもはや材料視されるステージが終わっている。

ダボス会議では、著名投資家ジョージ・ソロス氏が「円は下落する」と指摘する一方で、「日本の当局が円相場をどこまで押し下げることができるかは、米国がどの程度まで容認する意向になるかによって制限されるだろう」との見方を示している。既にメルケル独首相などからは日本の為替政策に批判の声も聞かれている。しかし、当面は日本の為替政策に修正を迫るレベルには達しない見通しであり、ドル高・円安基調に修正を迫るのは難しいだろう。

29~30日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が控えているが、当面の金融政策環境に大きな変化はないだろう。1日には米雇用統計の発表も控えているが、相場に対する影響は大きくないとみている。米連邦債務上限の引き上げ問題が進展し、欧州債務環境は沈静化、更に中国経済に対する信認が回復する中、リスクオンの地合もドル高・円安傾向をサポートするとみている。

来週の下値目途は89.00~89.25円、上値目途は91.00~91.50円を想定している。