<株式トピックス>=バイオ関連産業には国策の追い風を加速せよ

 28日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末比102円安の1万824円と安値引けで3日ぶりに反落。先週末25日に、13年3月期連結業績予想を下方修正したファナック<6954.T>が全般反落相場をリードした悪役を演じる結果となった。
 一方で、こうした動きとは別世界のように、ナノキャリア<4571.T>、DNAチップ研究所<2397.T>、メディネット<2370.T>、ジャパン・ティッシュエンジニアリング<7774.OS>、アンジェスMG<4563.T>などがずれもストップ高まで買われるなど、東証マザーズ市場の値上がり率上位を見ると、極めて高い上昇率でバイオ関連銘柄群が席巻している。
 もちろん株価のことなので、急騰と急落は背中合わせで、乱高下を覚悟しなければならないのは当然。しかし、ここまで物色が広がりをみせると、〝国策の追い風〟を感じ取らずにはいられない。
 京都大学の山中伸弥教授が、生物のあらゆる細胞に成長できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を初めて作製した功績が評価され、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことが、国策がより強化される起爆剤となったことは確か。iPS細胞は、医療の姿を抜本的に変える再生医療の切り札だ。再生医療は病気や事故で体の機能を失っても、iPS細胞を活用して、神経や筋肉の細胞に成長させて、人体に移植すれば、身体機能を回復させることができるという、まさに夢を実現させてしまう技術だ。また、iPS細胞は、再生医療だけでなく、この技術を利用した創薬も含めて、実用化を加速するために、今後10年間で約1100億円の長期的な研究支援を行うことを緊急経済対策にも盛り込んだ。
 こうしたバイオ関連の技術力は、現在家電製品などで後塵を拝する立場に追いやられている日本の産業界にとって、日本発で将来世界と勝負が可能な数少ない有力分野といえる。10年間で1100億円といわず、さらに増額して欲しいものだ。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)