<マーケットアイ>=鉄鋼 海外採算が急改善、円安メリット関連の出遅れ(1)

 きのう9日の東京株式市場は、朝方安くスタートしたものの、その後は切り返す展開となった。日経平均株価終値は、前日比42円高の1万866円と反発。TOPIX(東証株価指数)は、昨年来高値を更新した。この東証業種別株価指数で、鉱業、銀行と並んで買われたのが鉄鋼セクター。円安による採算改善や、大口顧客である自動車や機械メーカーの販売復調傾向も追い風となりそうだ。

 外国為替市場で、昨年11月半ば以降進行している対ドル、対ユーロでの円安で、鉄鋼各社は輸出採算の改善が見込まれる。円安進行で、手控えられていた輸出を復活させる動きが出はじめているのに加え、これまで苦境に立たされていた韓国など競合メーカーとの価格競争の点でも好転の兆しが見えはじめている。

 季節的に海外市況の改善が予想され、韓国の鉄鋼メーカーが設備改良のために減産する1~3月期は、国内高炉メーカーの活躍が予想される。ただし、13年半ばから14年には中国以外の東アジアで、生産能力の増強が本格化する見通しだ。このため、春先以降は、普通鋼電炉や特殊鋼に注目が集まりそうだ。

 一方で、新日鉄住金<5401.T>とトヨタ自動車<7203.T>による自動車用鋼板の価格交渉で、12年度下半期(10月~13年3月)の価格が、12年度上半期(4~9月)に比べ、1トン当たり4000円(約4%)程度値下げする見通しと複数の報道で伝えられている。原料の鉄鉱石や石炭の価格が上半期に比べて下落していることが主な要因で、同鋼板価格の値下げは半期ベースで3期連続となる。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)