『崖』の後→高いハードル

今回は『崖』の後に集計
今回の米雇用統計で注意しておきたいポイントは、米『財政の崖』問題が解決した後に集計されたものであるということです。

前回(12月)の集計期間は、米『財政の崖』への懸念が燻っていた時期と重なっていました。このため企業が採用を抑える可能性が指摘され、事前予想を幾分弱き(リスク回避)に傾斜していました。しかしながら今回は、その足枷は外れた後の集計となります。さらにここ最近の景気・雇用関係の米経済指標は好内容のものが少なくなく、米雇用統計に対するマーケットのマインドは強気(リスク選好)へと傾斜している感が否めないところです。

“前哨戦”とされる米ADP雇用統計は強め
こうした中で先月30日に発表された“前哨戦”とされる米1月ADP雇用統計は、事前予想(16.5万人)を上回る結果(19.2万人)となっています。米雇用統計へのマインドが、さらに強気へと傾いた可能性が否定できないところです。

ハードルは、より高く
しかしながら裏を返せば、それは今回の米雇用統計に対してマーケットが要求しているハードルが、より高くなっていることを意味します。こうした状況の際はたとえ好内容の結果であったとしても、事前予想の範囲内であれば「織り込み済」から「失望」へと変わってしまうケースも珍しいことではありません。

厄介なのは、この失望が米景況感の先行き不安へと拡大した場合です。なにしろ冒頭に記したように、米『財政の崖』問題は一応の解決を見たものの、実態は「問題の先送り」であることはよく指摘されるところだからです。一見すると順調に回復しているように感じられる米景気ですが、実は危ういバランスの上に成り立っていることは忘れないようにしておきたいところです。