<クローズアップ>=総合商社がリード、加速するグリーンエネビジネス(1)

 総合商社の海外グリーンエネルギープロジェクトへの参入が相次いでいる。東日本大震災による原発事故を機にエネルギー構造改革の必要性へ認識が広がるなか、海外のビッグプロジェクトで蓄積したノウハウを国内で生かす狙いもあり、今後、商社のグリーンエネルギービジネスは加速していくと予想される。

 商社は以前から海外で電力事業をコアビジネスのひとつとして手掛けており、太陽光や風力、地熱などグリーンエネルギーによる発電事業へも参画してきた。商社ビジネスの延長線上にあり、これまでの電力事業で培ってきたノウハウやネットワークを生かせることが理由だが、ここにきて参入が相次いでいるのは、国内でもグリーンエネルギー発電開発が本格的に進むとの判断からだ。

 エネルギー構造改革の必要性へ認識が広がるなか、経済産業省は省エネ対策の強化や再生可能エネルギーの開発のため、今年度予算で最大の4025億円を要求。「再生可能エネルギーの開発・利用の最大限の加速化」をテーマに掲げる。太陽光や風力、地熱発電にそれぞれ100億円以上の予算を振り向けるほかに、小水力発電や海洋・バイオマスエネルギーの技術開発などにも注力する構えだ。

 海外では電力需要が急激に拡大している新興国だけでなく、環境保全への意識が高い先進国も重要なマーケットで、太陽光発電は米国、スペイン、タイなどでメガソーラーの開発が進み、風力発電は米国の世界最大級の発電事業のほか、中国の内蒙古やアフリカなど世界各地でビッグプロジェクトが立ち上がってきた。地熱やバイオマス発電もプラント建設が相次いでいる。

 商社のグリーンエネルギー発電ビジネスはシステムの設置・販売から発電所の運営・管理まで多岐にわたり、開発のためのファンド設立にもかかわるなど、多様な事業形態や地域を組合わせたポートフォリオ最適化にも大きな役割を果たしている。グリーンエネルギー発電は比較的新しい分野で、多くの企業が群雄割拠しているのが現状だが、今後、商社がまとめ役としてプロジェクトをリードしていく可能性がある。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)