110円鉄壁の守りはいつまで続くのか?

◆実需買いが相場を支える
金曜日もドル円は110円を守りました。
値動きを見ても、非常に強い買い意欲が垣間見れます。

特に、110.20-30円を下抜けると110.00円より下を狙った投機的な売りが一気に入ってもおかしくないのですが、強烈な買いが入り反発しました。これは何かあると思い調べてみると、実需の買いが相当あることがわかりました。

まず、年金の買いは断続的にありますが、金曜日に下を支えたのはここではありません。どうやら、生保の外債買いが影響しているようです。
トランプ相場でヘッジ付きの外債を保有していた生保は、債券価格の暴落によりポジションを落としていきました。しかし、落としすぎたポジションは新年度から再び買い需要が出てきているというのです。

しかも、買う際にはノンヘッジで買っているということですので、まるまる日本円売り米ドル買いとなります。

規模はどの程度かわかりませんが、生保となると一千億レベルではないでしょうか。
これだけ買い需要があるとなると、そう簡単に相場は下がりません。

さらに先日セブン&アイHD(3382)の子会社が、米国のSunoco LP社からコンビニ及びガソリン小売事業を3650億円で買収するなど、引き続きM&Aに絡むドル買いも出てきています。

そして、東芝のウエスチングハウスの損失によって7千億~1兆円規模のドル買いも発生します。これは事前に綿密な計画をかけて進めるM&Aなどではありませんので、ほぼその通りの米ドル買いが出るのではないかと予想されています。
この規模となると、もはや為替介入ですね。

さすがにすべて成り行きで買ってくるわけではない(7月のソフトバンクのM&Aの際には荒い印象でしたが)ですが、仮に指値をずっと並べているような買い方だとそう簡単には下がりません。

特に東芝絡みのドル買いは、時間を掛けてではなく、ある程度短期間(4月末まで?)で調達しなければならないという観測も出ています。

短期的に110円を割り込む見通しを立てていましたが、こういった強烈な実需の買いが引くまでは、110円を割り込んで一気に108円割れというような急落が発生する可能性は低そうです。
◆要人発言が相場の上昇を止めた
思えば、2015年に日経平均は2万円を乗せさらに上昇するという雰囲気がありました。決算で過去最高益を計上する企業が非常に多く、希望に満ち溢れていました。

しかし、黒田総裁の「これ以上の円安には進みそうにない」という発言でドル円の上昇も止まり、その後は大暴落となりました。

今回も、NYダウは2万ドルに乗せ企業決算は絶好調!そこへきて、FOMCのメンバーが「株価は高すぎる」と発言しています。
米国経済は好調で、心配されていた米債利回りも落ち着いているので、秋ごろから年末にかけてトランプ市の経済政策が出てくればNYダウは史上最高値を更新してゆくでしょう。

しかし、その前に10%程度の調整(NYダウ2000ドルの下落、日経平均は3,000円程度の下落)が来てもなんらおかしくはないと思います。

地政学的リスクも高まってきていますので、短期売買でもヘッドラインリスクを警戒し、すぐにストップロスの設定をしておくようにしたいですね。